梅雨の晴れ間
空は まだまだ厚い雲をはらんでいるのに 空気は思いのほか 明るかった。 集中豪雨を受けた アスファルトは まだ水を持て余していて 光を乱反射させていた。 思いも寄らぬ明るさに 君は 感嘆の声を上げて 踊るように駆け出した。 光の中に 君がいる。 雲を散らした空と その空を映す地面の間に。 空に挟まれ 手を広げ スカートの裾はためかせ 君は笑ってる。 その美しい風景に 風景に溶け込んだ君に 僕はかける言葉はなく 「ねえ 「きれいね」 着には僕を見て笑う。 僕は頷く。 そして この一歩を踏み出してこの風景の一部になるか それとも この美しい風景をもう少し楽しむか 君の笑顔に微笑み返して 幸せな悩みを転がしてみる |