誤楽 二番煎じ
「ええ、その谷に入ったら原住民の言う事にしたがって、決して怒らせるような
ことをしてはいけません」
「言う事に反発したり、文句を言ってはいけませんよ」
周囲の人々の厳重な注意を聞いて、怪は前人未到のその谷に入った。
「ようこそ!」
「ようこそ!」
谷のカラフルな住民は友好的で、一体何をしたら怒るのだろうか、と思わせる
程陽気だった。
「これを召し上がって下さい!」
「歓迎の踊りを見て下さい!」
こんな事だったら、いくらでも従うよ。−−怪はそう思いつつ、原住民の言葉に
頷いていた。
楽しい一日が過ぎようとしている。
月は東に、日は西に。逢魔が時がおとずれる。
夕暮れに照らされた原住民は、谷の夜の恐ろしさを怪に伝え、今夜は谷に一泊
することを勧めた。
「ご迷惑でなければ、喜んで!」
原住民は喜ぶ。
「さあ、このロープを受けて下さい!」
「ロープ……?」
戸惑う怪の体を原住民は縛りつける。そして、木にくくりつけ、持ち上げる。
昔描いたネタをひっぱりだしました。
タブレットで描こうとして、素材を集めたまま断念していたものを
主線書いてスキャナーで読み込み、着色しました。
マージナル部分不満があるので、そのうちそっと手直ししている
かもしれません。
ミポラ……幸せそう……。